(1) Pat Metheny / Road to the Sun
これほどの緻密な作編曲と高度な技術を要するギター音楽は、ここ100年の音楽史においても、トップクラスの完成度を誇るのではないだろうか。昨今、若者のクラシック離れが言われて久しいが、そのクラシック音楽とそれ以外の音楽が、完全に分断されてしまった現代において架け橋になりうる重要作とも言える。今後ジスモンチやラルフタウナーに次ぐ現代ギターの定番レパートリーに加わわることは間違いない。逆にジャズの視点から見たときに、マリアシュナイダーや挾間美帆を評価するならば、本作もジャズ作曲家として同等に扱うべきではないか。それに気付かない今のジャズ評論家たちの視野の狭さに改めて腑甲斐なさを感じる。 (2) John Mayer / Sob Rock
ジャズ耳で聴いても、R&B耳で聴いても、ロック耳で聴いても、その全方位を納得させる実力は、もはや他の誰も到達することの出来ない高みにまで達した。現代のDTMでは得られないリアルな他流セッションという修羅場を経験してきたからこその、本物の実力だと思う。いかに少ない音数で最大限の効果を発揮できるかということを、改めて現代の詰め込みすぎな音楽シーンに投与したい。 (3) Marcus Machado / Aquarious Purple
「ディアンジェロ、ジミヘンドリックス、ラファエルサディークのファンのために」という言葉通り、現在進行形ジャズ、ネオソウル、R&B、ヒップホップ、そしてジミヘンやPファンク張りのギターインストまで、幅広く質の高いセンスを感じる、今後も目が離せない逸材。 (4) Lari Basilio / Far More
ヴィニーカリウタやネイザンイースト、ジョーサトリアーニら錚々たる面子が参加する、SNS時代が生んだブラジル女性実力派ギタリストの注目作。きっとギター弾きなら、彼女の魅力に瞬殺でやられること間違いなし。 (5) Julian Lage / Squint
現代アメリカーナジャズ最高峰のギタリストによるブルーノート移籍第一弾。自国のアイデンティティーを音楽で表現することの大切さを、改めて痛感するし、日本の音楽家も是非ともその姿勢を見習ってほしい。 (6) Michael Pipoquinha & Pedro Martins / Cumplicidade
カートローゼンウィンケルとの共演や、エリッククラプトンのクロスロードギターフェスティヴァル出演等で一躍時の人となったブラジル新世代ギタリストのペドロマルチンスと、かつて神童と呼ばれた現代ブラジル最高峰ベース奏者ミシェルピポキーニャとの双頭名義作品。ブラジル音楽のルーツ愛をたっぷりと感じさせつつも、しっかりとコンテンポラリーなハーモニーと今時の演奏技術が凝縮された一枚。 (7) Molly Miller Trio / St. George
昔は女性というだけで注目された時代もあったが、近年はその贔屓目も薄まり、冷静に聞いても音だけで勝負できる。当店一押しのラリバシリオやジャッキーベンソンに並ぶ、女性ギター教授モーリーミラーによるギタートリオ作品。 (8) Tedeschi Trucks Band / Layla Revisited
デレクアンドドミノスの名盤「いとしのレイラ」全曲再現ライヴ・アルバム。左スピーカーから聴こえる現代最高峰ギタリストによる圧巻の名演に、ただただ酔いしれる。 (9) Jeff Parker / JP's Myspace Beats
もしかしたらパンデミックによって時間ができたから?リリースできた作品かもしれないが、逆に、こういう作品が聴きたかった、という声も多いかもしれない。サンプリングによるギター名盤があっても良いのではないか、というギター音楽への新しい見方を示してくれた一枚。 (10) Mansur Brown / Heiwa
今や世界の最先端音楽シーンを先導し続けるUK新世代ジャズ注目度No1黒人ギタリストの2nd。彼の作り出すエフェクトやサウンド・メイキング術は、今の音楽シーンの一つのトレンドになった。アルバムタイトルも含め、日本の三味線を意識したようなトリッキーなギターテクニックにも注目。
昨年2021年の新品商品からギタレコ年間ベスト・アルバムを選出いたしました!
近年SNSやサブスクの普及により、目先の衝動を誘導するような音楽が増殖する中、決してコケ脅しの一過性のものではなく、ずっと長く付き合えるような、普遍性のある良質なギター音楽を選出いたしました。ジャンルを超え、本当にギター好きな人へ届けたい、そんな一生もののギターアルバムたちです。
(1) Pat Metheny / Road to the Sun
これほどの緻密な作編曲と高度な技術を要するギター音楽は、ここ100年の音楽史においても、トップクラスの完成度を誇るのではないだろうか。昨今、若者のクラシック離れが言われて久しいが、そのクラシック音楽とそれ以外の音楽が、完全に分断されてしまった現代において架け橋になりうる重要作とも言える。今後ジスモンチやラルフタウナーに次ぐ現代ギターの定番レパートリーに加わわることは間違いない。逆にジャズの視点から見たときに、マリアシュナイダーや挾間美帆を評価するならば、本作もジャズ作曲家として同等に扱うべきではないか。それに気付かない今のジャズ評論家たちの視野の狭さに改めて腑甲斐なさを感じる。
(2) John Mayer / Sob Rock
ジャズ耳で聴いても、R&B耳で聴いても、ロック耳で聴いても、その全方位を納得させる実力は、もはや他の誰も到達することの出来ない高みにまで達した。現代のDTMでは得られないリアルな他流セッションという修羅場を経験してきたからこその、本物の実力だと思う。いかに少ない音数で最大限の効果を発揮できるかということを、改めて現代の詰め込みすぎな音楽シーンに投与したい。
(3) Marcus Machado / Aquarious Purple
「ディアンジェロ、ジミヘンドリックス、ラファエルサディークのファンのために」という言葉通り、現在進行形ジャズ、ネオソウル、R&B、ヒップホップ、そしてジミヘンやPファンク張りのギターインストまで、幅広く質の高いセンスを感じる、今後も目が離せない逸材。
(4) Lari Basilio / Far More
ヴィニーカリウタやネイザンイースト、ジョーサトリアーニら錚々たる面子が参加する、SNS時代が生んだブラジル女性実力派ギタリストの注目作。きっとギター弾きなら、彼女の魅力に瞬殺でやられること間違いなし。
(5) Julian Lage / Squint
現代アメリカーナジャズ最高峰のギタリストによるブルーノート移籍第一弾。自国のアイデンティティーを音楽で表現することの大切さを、改めて痛感するし、日本の音楽家も是非ともその姿勢を見習ってほしい。
(6) Michael Pipoquinha & Pedro Martins / Cumplicidade
カートローゼンウィンケルとの共演や、エリッククラプトンのクロスロードギターフェスティヴァル出演等で一躍時の人となったブラジル新世代ギタリストのペドロマルチンスと、かつて神童と呼ばれた現代ブラジル最高峰ベース奏者ミシェルピポキーニャとの双頭名義作品。ブラジル音楽のルーツ愛をたっぷりと感じさせつつも、しっかりとコンテンポラリーなハーモニーと今時の演奏技術が凝縮された一枚。
(7) Molly Miller Trio / St. George
昔は女性というだけで注目された時代もあったが、近年はその贔屓目も薄まり、冷静に聞いても音だけで勝負できる。当店一押しのラリバシリオやジャッキーベンソンに並ぶ、女性ギター教授モーリーミラーによるギタートリオ作品。
(8) Tedeschi Trucks Band / Layla Revisited
デレクアンドドミノスの名盤「いとしのレイラ」全曲再現ライヴ・アルバム。左スピーカーから聴こえる現代最高峰ギタリストによる圧巻の名演に、ただただ酔いしれる。
(9) Jeff Parker / JP's Myspace Beats
もしかしたらパンデミックによって時間ができたから?リリースできた作品かもしれないが、逆に、こういう作品が聴きたかった、という声も多いかもしれない。サンプリングによるギター名盤があっても良いのではないか、というギター音楽への新しい見方を示してくれた一枚。
(10) Mansur Brown / Heiwa
今や世界の最先端音楽シーンを先導し続けるUK新世代ジャズ注目度No1黒人ギタリストの2nd。彼の作り出すエフェクトやサウンド・メイキング術は、今の音楽シーンの一つのトレンドになった。アルバムタイトルも含め、日本の三味線を意識したようなトリッキーなギターテクニックにも注目。